皆さんこんにちはー! むらいさちです。今回は、引き続き伊豆諸島• 八丈島の写真をご紹介しようと思います。前回はコンパクトカメラで撮影した作品を紹介しましたが、今回はミラーレス一眼カメラを使って撮影した作品をお見せしながら、その撮影方法などを解説します。八丈島は黒潮にとても近く、この時も透明度が30mくらいはありました。そのおかげで生物もとても多く、伊豆の魚から沖縄で出会う魚まで、幅広くいっしょに住んでいるので、ちょっと不思議な気もしますが、これほど写真を撮りたくなる海はありません。しかもビーチからエントリーするダイビングがメインなので、じっくりゆっくり潜れるスタイルはカメラ派向きですよね。ぜひ足を運んでみてくださいね。
海草の上をゆらゆらと泳ぐ姿がかわいくて、ストーカーしました(笑)。
1. グッと寄ってグッとくる写真を
水中は特別な環境です。陸上との一番大きな違いは水があることです。陸なら遠くまで見渡せますが、海の中だとそんなに遠くまでは見えません。それは浮遊物などが水の中に存在するからです。だから水中写真の基本は、「まず寄る!」です。
じっとしているトラギス君。このちょこん感もいいですが、やっぱりちょっとさみしい…。背景がきれいならこれもありですが。では、寄ってみます。
そっとそっと、近づきパシャリ。あきらかに僕の存在が気になり、こっちを見ていますね。トラギスは目がいいので、目をくりくり。こちらを認識しています。
そうなるとさらに寄ってみたくなるのが人間の性。ここまで寄れるとストロボもきれいに当たり、その美しい模様と、かわいい表情をゲットできました。
2.グッと寄ってじっと待つ
ウロウロしていると、きれいなカイメンがありました。ここにお魚が住んでいたらかわいいのにな~と覗き込むと、とっても小さなミツボシクロスズメダイがいました。こういう環境にはあまりいないお魚なのですが、こちらとしてはラッキー。どう撮ろうかと考えていると、いい場所を発見。
この間にうまいこと来てくれたらいいなー、こないかなー。
あ、来た! が、慌てたのでピントが・・・。こうなったら持久戦だな・・・。とにかくじっと待ち、この間に来てくれることを願い続けました。
待つこと数秒(意外と早く来ました…)、それ今だ!、とシャッターを切りました。ピントが難しく、それを何度も何度も…。やっと撮れましたー、やっぱりかわいかったのでよかったです。
3.グッと寄っていろいろ撮る
水中写真の撮影方法は1つではなく、お魚や環境によって異なっていきます。初めての海、初めての被写体では、どうやって写すのが正解かわかりません。僕個人としてはストロボを必ず焚く必要はないと思っています。その子に合った撮影方法を探してあげましょう。
カイメンにいたネッタイミノカサゴ君。まずはノーストロボでちょっとアンダー気味に。大人の魅力全開モードで撮影。さすがにアンダー過ぎたか…。ちょっと明るくしてみましょう。
露出をそのまま明るくしてみました。これはこれでミステリアスで幻想的な作品で嫌いじゃないです。ただノーストロボで明るくすると、ブレやすくなるので注意が必要ですね。
ストロボをオンにして撮影。色がきれいに出ていて美しいですね。背景のカイメンもかわいい色です。じゃあ、どれが正解かというと…、それはあなたの好みです。そう、正解は自分の中にきっとあるのです。自分が好きだと思う写真を自由に写してみてください。
誰でも簡単・楽チンをモットーに月刊DIVERでスタートした連載「ゆるフォト」のバックナンバーです。(DIVER 2018年1月号掲載)
コラムニスト
むらい さちさん
プロカメラマンなのに、メカが苦手という致命的な欠陥があるが、だからこそメカが苦手な女性の気持ちがよくわかると勝手に思い込み月刊DIVERで「ゆるフォト」連載をスタート。スタンスは、今も変わらず「ゆるく楽しく水中写真!」
撮影協力:八丈島ダイビングショップ アラベスク