マリン
ビギナーダイバー。昨年からトレーニングしているが、なかなか上達しない。口は一人前
ジョー
経験本数100本以上の中堅ダイバー。三味線の名手らしい
蝶々夫人
知識豊富なインストラクター。しかし、セレブ一家に育ったため、世間知らずなところがある
国内外から熱い視線が注がれる
奇跡のダイバーズパラダイス
マリン:この間、仕事の関係で会った外国の人が、偶然にも私と同じダイビングを趣味としていたの。英語は得意なほうじゃないから緊張してたんだけど、趣味が同じとわかった途端、一気に距離が縮まった感じがしたわ。
ジョー:海は国境を越える! ってか?
蝶々夫人:まぁ、言語で困るようなことがあったら、いつでも私が助けて差し上げてよ。英語、フランス語、イタリア語なら問題ないわ。
マ:さすが蝶々夫人、心強いわ。でも、問題は流暢に話せるかじゃなくて、質問された内容について、私が答えられなかったの……。
ジ:そんなに難しいことを聞かれたのか?
マ:それがね、「日本には、ケラマというダイバーズアイランドがあると聞いたんだけど、どんな所なのか?」って。「沖縄にある島で〜」くらいしか答えられなかったの。
蝶:沖縄は、海外でも名前の知られたダイビングディスティネーションだからね。これからも、どこかで聞かれるかもしれないわね。
ジ:それじゃあ、ちょいとケラマ講座を開くとしますか。
ええっと、まずケラマというのは通称で、正式名称は慶良間諸島。
沖縄本島から西へ40kmほどの所に位置していて、大小30くらいの島々があるんだ。
でも、人が住んでいるのは4島だけ。渡嘉敷、座間味、阿嘉、慶留間。島に渡るには、沖縄本島から高速船やフェリーを使うのが一般的なんだけど、那覇に店舗を持っているダイビングサービスでも、自社クルーザーを使って日帰りツアーを組んでいるところもあるな。
マ:でも、そもそも、なんでダイバーに人気があるの?
蝶:比較的アクセスがしやすいこともあるけれど、やっぱり海の中が魅力的だからなんでしょうね。内湾、砂地、サンゴ礁、起伏に富んだ地形、回遊魚も期待できる外洋など、
さまざまな環境が揃っているのよ。ということは、そこで見られる生き物もバリエーションに富んでいるというわけね。
ジ:しかも、島が入り組んでいるから、たとえ外海が荒れていても、かならず島陰になって風を避けて潜れる場所があるというのも強みだよな。さらに、冬になると、ザトウクジラがやって来るんだ。水中で会うことは滅多にないけど、ダイビングの合間に、ボートからクジラのジャンプを見たり、水中でクジラが歌う声も聞けたりするんだ。
マ:それはスゴイ! また外国の人に聞かれたら今度はちゃんとPRできそう。でも、それには一度自分の目で見ておきたいわね。